流れ橋、橋板流出/台風7号で木津川増水
木津川の増水により、橋板が流出する被害を受けた流れ橋。上流から流れ着いた流木も絡みついている

久御山町佐山と八幡市上津屋に架かる上津屋橋(通称・流れ橋)は、15日早朝に近畿地方に上陸した台風7号の降雨に伴う木津川の増水で、橋板が流出する被害を受けた。
橋板の流出は、2019年10月以来、約4年ぶり。
流れ橋を管理する府山城北土木事務所によると、同日午前7時30分、木津川の水位上昇により同橋を通行止め。その後も水位は上昇を続け、橋板に到達。午後1時50分ごろ、同事務所の職員が橋板の流出を確認したという。
国交省のライブカメラ映像では、八幡市側に近い橋板が下流側へ大きく流されているのが確認できた。
上流にある京田辺市の飯岡水位観測所の水位は、前日の午後9時時点でマイナス1・49㍍。そこから徐々に水位が上昇し、流出直前の翌日午後1時30分ごろ、ピークの3・61㍍に達していた。
流れ橋は全長356・5㍍。増水で一定水位に達すると自然に橋板が浮かび、下流側に受け流すことで被害を抑える歩行者専用の木橋。橋板はワイヤーロープで橋脚とつながれているため流失はしない仕組みになっている。
復旧時期について同事務所は、「まず、水位が下がってから損傷具合を調査をする必要がある。出水時期が終わる10月中旬以降にならないと復旧工事には着手できないので、時期はまだわからない」としている。
流れ橋は2014年の流出後、あり方検討委員会での議論を経て、橋面を高くするなど、流れにくい構造に変更され、16年3月に復旧。構造変更後の流出は、17年10月(台風21号)、19年10月(台風19号)に続く3回目。1953(昭和28)年の架設から数えると通算24回目となる。