宇治田原町の秋を彩る「田原三社祭」の還幸祭が8日に営まれ、駆け馬や神輿(みこし)巡行が祭りのクライマックスを飾った。
平安時代、藤原藤太秀郷が平将門軍を滅ぼした賞として田原郷の領主となって以来、村の平和を守るために続けられている厳粛な祭礼。
旧田原郷内にある御栗栖神社(一ノ宮)、大宮神社、三宮(三ノ宮)神社合同による町内最大の秋祭りで、コロナ禍での「居祭り」を経て、今年は4年ぶりとなる待望の「出祭り」。
「ソラヨイヨイヨイ」という威勢の良い掛け声とともに巡行する5日の神幸祭で幕を開け、7日の夕刻からは、御旅所に金魚すくい、輪投げ、綿菓子、当てもんなどの夜店が並び、溢れんばかりの人出で賑わった。
そして迎えた還幸祭。京都府の無形文化財に指定されている「せいのう舞」「王の舞」などの神事に続き、午前11時ごろからは駆け馬。
4年前には無かった新名神高速道路の高架橋が望める郷之口の御旅所前沿道で大勢の人々が熱い視線を注ぐ中、2頭の神馬が颯爽と風を切った。
午後1時ごろには、3基の神輿が御旅所を出発。担ぎ手の若衆が威勢よく地域を練り歩き、郷之口会館付近に集結。そこから各神社へと帰還した。