鵜匠講演や「放ち鵜飼」の見学も/宇治で「全国鵜飼サミット」
茶づな北西にある復元池で行われた「放ち鵜飼」

第25回「全国鵜飼サミット」宇治大会が19日、宇治市文化センターで開幕した。10の府県から関係者たちが勢揃いし、鵜飼の現状について情報共有した。
このサミットは、伝統ある鵜飼を保存継承するとともに観光資源としてさらに発展させるため、関係者が一堂に会し意見交換を行うことが目的。1994年に岐阜県で初めて開催して以降、毎年関連地で実施されてきたが、第20回の2013年からは隔年開催としている。宇治では02年以来、21年ぶり。
宇治川鵜飼では、安定的な実施のため約20年前から本流ではなく派川を使っている。川幅が狭いため客船と鵜舟の距離が近く、親しみやすいのが特徴。14年に人工ふ化したヒナ「うみうのウッティー」が誕生。人に懐きやすい性質を生かし、綱を付けない「放ち鵜飼」のツアーが昨年から始まっている。

ウミウ捕獲地・茨城県日立市での飛来の様子

小ホールでの式典には、関係者含めて約200人が参加。大会会長の松村淳子・宇治市長が挨拶した後、西脇隆俊府知事の代理で上林秀行・府商工労働観光部長と、松峯茂・市議会議長が祝辞を述べた。
続いての各地の鵜飼紹介では、初めに国内唯一のウミウの捕獲である茨城県日立市の関係者3人が登壇。丸太とコモで建てた「鳥屋」など道具類は全て手作りで、ウの飛来を待ちつつ、卓越した捕獲技術で安定供給に努めていることを伝えた。
その後、鵜匠が直接川に入る「徒歩鵜(かちう)」で有名な山梨県笛吹市や、昨年5万人以上の来場があった岐阜市による鵜飼のプレゼンがあり、詰め掛けた参加者が耳を傾けた。

女性鵜匠の江崎さんが宇治川鵜飼をPRした

最後に主催地の宇治市から、女性鵜匠の江崎洋子さんが宇治川鵜飼の歴史と放ち鵜飼の取り組みを紹介。「鵜匠と鵜飼の伝統を継承しつつ、新しい挑戦をして未来を開いていきたい」と話した。
第2部では卯田宗平氏による講演があり、さらに場所を移して宇治川の鵜飼見学、パルティール京都での歓迎レセプションで終了した。
◇  ◇
10の府県から鵜飼関係者が参加した第25回「全国鵜飼サミット」宇治大会の2日目は20日、お茶と宇治のまち歴史公園・茶づなであり、宣言採択と放ち鵜飼の見学が行われた。
前日の会議での報告として、鵜匠や船頭の後継者不足、最近の気候変動による稼働の難しさ、コロナ禍収束後のインバウンド対応などの課題が指摘された。なお、次回開催地は未定で、今後調整を進めていくという。

中村藤吉実行委員長が鵜飼サミット宣言を採択

その後、サミット実行委員長を務める同市観光協会の中村藤吉会長が登壇。「文化庁および観光庁に対し、ウミウの捕獲や鵜飼の保全および活用に資する取り組みへの支援、そして日本固有の鵜飼の国内外への発信を要請」するサミット宣言文を読み上げた。
引き続く講演では、女性鵜匠の沢木万理子さんが、国内唯一の人工ふ化によるヒナ「うみうのウッティー」誕生のエピソードや、放ち鵜飼の訓練の様子を映像を交えて紹介。講演後には「違う場所でもできそうか」「行政はどのように協力しているか」など続々と質問が上がった。
太閤堤跡の復元池での実演では、追い綱なしで呼び声に応え魚を捕るウの様子を見学。関係者らがカメラを向けながら「すごく慣れてる」などと感想を述べていた。