好きな本を手に「うわっ」「面白い」/城陽・青谷小「絵の本ひろば」
加藤さん(中央)とともに市職員2人も読み聞かせに飛び入り参加

城陽市立青谷小学校(高向睦校長、179人)=中向河原=で7、8の両日、青谷コミセン図書室との共催企画「絵の本ひろば」ってな~んだ~?が初開催され、国語科の授業を基本として全校児童が学年ごとに〝絵の本〟に親しんだ。改修工事に伴い、昨年8月から青谷コミセン図書室が休館しており、来年2月の再開まで児童らに少しでも本にふれあう機会を…と、自由に読みたい本に出会える機会を設けたもの。今後は、コミセン図書室の改修時期に関係なく、他の小学校に取り組みが広がる可能性もあるという。
講師として来校したのは、「絵の本あれこれ研究家」として関西各地で〝絵の本〟の講座、普及活動などに取り組んでいる加藤啓子さん。
加藤さんは「よい本を大人が子供に与えるのでなく、大人も子供も自分で好きな本が選べることが一番大切」との思いで、本の表紙を見せて並べ、子供たちが自由に読みたい本に出会える『えほんのひろば』を提唱。これにより「本が怖い」「文字が怖い」と思っている子供が、好きな本を手にするようになり「うわっ」「すごい」「面白い」…との共感が得られるという。
〝絵の本〟について、加藤さんは「絵本より、さらに文字が少なく、ストーリーがあるものだけでなく料理本などの写真主体のものも該当する」と説明した。
きっかけは、青谷コミセン図書係職員の藤井明美さんが奈良県内で、加藤さんのイベントに参加して感動したこと。その後、6年ほど構想を温め、市内の保育所・幼稚園・小学校などで、加藤さんの「絵の本ひろば」開催を模索していたが、新型コロナの影響で実現できず、ようやくコミセン図書室が休館中のこの時期に地元、青谷小で初開催となった。

「うわっ」「すごい」…と〝絵の本〟に熱中する児童たち

会場は、普通教室より広い「図工室」を活用。段ボールで作った本棚に、約300冊の〝絵の本〟の表紙が見えるように展示。7日は「2年、5年、6年」、8日は「1年、3年、4年」の児童たちがクラスごとに訪れ、加藤さんから「友達やおじさん、おばさん(コミセン職員ら)と一緒に、好きな本を読んでください」のアドバイスを受け、有意義な時間を過ごした。
参加した児童たちは「ありえない内容が本の中に出てくるのが面白い。いろんな本を読んでみたい」「いろんなことが知れるところが良い。本を開くとペラペラと動く本が楽しかった」と感想を述べた。