神君家康公にあふれる熱気/京田辺
ヒーローここに…神君伊賀越えをライブで描ききった墨絵師御歌頭

神君徳川家康公ゆかりの地京田辺で大河ロードのクライマックスを飾るイベント「GO!TANABE―THE GREAT BEYOND―家康公天下泰平之道」は5日、同志社女子大京田辺キャンパス新島記念講堂で開かれ、ホールMAX900席を埋める市民らの熱気にあふれた。
京田辺市と市観光協会が主催し、地元に拠点を構える戦国魂(せんごくだま・鈴木智博代表)のプロデュース。
本能寺の変を聞いた堺滞在の家康一行の逃避行の最中、現在の京田辺市内を通過したと伝えられ、家康は草内の渡しで木津川を渡河した―とも。
270年にわたる江戸幕府の礎を築いた「東照大権現」家康公ゆかりの地をアピールする地元活性化事業として、NHK大河「どうする家康」放映の1年を通しスタンプラリーなどの取り組みを盛んに繰り広げた。
ステージは同志社女子大音楽学科ウインドオーケストラの「大河ドラマテーマ曲」演奏で華やかに幕開け。
「どうする家康」のほかにも、「麒麟がくる」「真田丸」「鎌倉殿の13人」「八重の桜」といったタイトルのテーマを響かせ、それぞれのシーンを観客の胸に呼び起こした。
同事業メインビジュアルを担当した墨絵師御歌頭の「墨絵ライブ」で客席が固唾をのむ中、岩に片足をかける雄々しい神君像がリアルに描き出された。

穴山梅雪を語り尽くす平山優さん

ドラマの時代考証を行う平山優さん(健康科学大特任教授)の歴史講演「徳川家康と穴山梅雪」では、武田から徳川に転じた梅雪が伊賀越えで別行動し草内の渡し付近で一揆に襲われ落命する経緯や、穴山家の家系を掘り下げた。
京田辺神君伊賀越え武将隊つつじの草内の渡しをドラマチックに演じる「甲冑武者演劇」、神楽の音楽ライブ「ミナト月トナル」に続いて、メインとなるスペシャルトークショーでは梅雪を演じた俳優の田辺誠一さん、ドラマを制作統括する磯智明さんが満を持して登壇。
今回の大河の筋では、いくさのない世を願う家康正室の築山殿、息子の信康らと通じ夢を実現させようとした好漢の姿に触れ、飯岡に梅雪の墓がある京田辺ゆかりの武将を偲んだ。