ICT盛り込んで駆除に/田辺高・「イノシシ捕獲檻」制作

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害獣駆除を推進―京田辺市が後押しするイノシシ捕獲檻の開発が府立田辺高校(西田和史校長)で進められる。イノシシが檻に掛かれば、今では多世代が慣れ親しむSNS・ラインを介し関係者まで通知されるというICTを活用する研究・開発の成果に期待が高まる。
京田辺市普賢寺地区の設置を見据える田辺高校バージョン「イノシシ捕獲檻」。
現在20台以上が据え付けてあるというが、農地を荒らす害獣駆除にひと役買うも、効果は限定的…とも。
その中、山間地の害獣被害を一つでも減らしたい―と、包括連携協定(市と同校)に基づき京田辺市から制作を依頼された同校。
その後、同校自動車科・電気技術科の生徒たちが研究を進めオリジナルの捕獲檻の開発に励んでいる。
同校工場棟で23日に行われた自動車科(竹本尚人科長)の年度を締めくくる課題研究発表会で、檻の制作に取り組む自動車科3年生(大森慈雨・小嶋温人・妻神煌可・佐賀零樹・勝賀野空・勝田陽太・諏訪大樹の7人)が電気技術科と連携するこれまでの努力の成果を報告。
檻は、2022年度に1号機を、今年度に2・3号機を制作した。
普賢寺の現場では、シカなど体高のある大型動物は出ないため、前年度より20㌢低く改造。
自ら溶接などを施し鉄材をつなぎ合わせるなどして、耐衝撃試験で強度も確認している。
ほかに、依頼のポイントとなる「自動連絡システムの構築」「軽トラの荷台に載せられる寸法」「組み立て式で両開き」に取り組んだ。
電力を抑え、通信にLINEを使用し、太陽光パネルの活用も見込む。
イノシシが檻に入ると上から降りるシャッターが閉まり電源スイッチが入る。
檻の中をカメラ撮影し、映像はWifiを通してLINEで送信。
夜間に対応する赤外線照射も備えている。
藤田智哉・電気技術科長は「太陽光パネル、バッテリーをどう増設できるか。屋内試験のみしかまだやっていない。防水仕様はこれから」と伝える。
バッテリー、太陽光パネルの小型化は必須といい、「今年度中に檻と通信装置が一体で現場に入れられればよいが」と研究・開発の手を緩めない。
地元では、檻1台で年27頭の捕獲例もあるといい、市・同校の連携が続く新年度も生徒たちの挑戦と成果に注目が集まる。

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