“大河”効果、25年ぶり1月に来館1万人超/宇治・源氏物語ミュージアム
平日の昼間でも来館者の絶えない源氏物語ミュージアム

源氏物語の作者・紫式部の生涯を描くNHK大河ドラマ『光る君へ』の放送開始から1カ月余りが経過した。宇治市源氏物語ミュージアム(家塚智子館長)では先月、1万人余り(有料ゾーン)が来館し、1月としては25年ぶりの大台超え。早くも大河ドラマ効果が出ており、ツアーが本格化する今後に期待している。
紫式部の生きた平安時代中期は、戦が少なく、京都文化が花開いたとされている。大河ドラマで、これまで扱われることの少なかった時代だけに、放送開始後は「紫式部」、「源氏物語」が話題に。世界で唯一「源氏物語」を冠する市源氏物語ミュージアムでは早くも大河ドラマ効果を感じている。
1月は有料ゾーンに1万人余りが来館した。98年10月にオープンし、その直後の99年1月に約1万1000人が来館したことはあるが、閑散期の冬場。25年ぶりの1月1万人超えとなり、新型コロナウイルス流行前の2019年1月比では約1・8倍となった。
同ミュージアムでは源氏物語のことを長年、取り上げてきた自負があり、年間4回の企画展、1回の特別企画展を開催。特別企画展は例年、秋に開催することが多いが、今年度は放送直前の昨年11月から『このわたりに薫る君やさぶら』を開き、来年度は7、8月に『「源氏物語」が呼んでいる―拡がる古典の世界―』を開催することにしている。
家塚館長は「1月以降『大河ドラマを見て来た』という声を聞くようになった。外国人観光客も多いが、放送開始以降は日本人が増えている。今後、団体客が見込まれるため、期待している」と話している。