後世に残る名所に/宇治・日清都CC「桜の森プロジェクト」
植樹したソメイヨシノの木を囲み、児童たちが記念撮影

宇治市菟道新池の日清都カントリークラブ(小岸秀行支配人)が企画した「でっかく咲かそう!都桜・桜の森プロジェクト」の一環で、笠取第二小学校の児童と教員、保護者を招いた桜の木の記念植樹が行われた。今月末までに180本を植える予定で、桜が大きく育ち後世に残る名所となるよう参加者たちが願いを込めた。
1966(昭和41)年にオープンした日清都CCは、日清食品の創業者で、ゴルフ愛好家だった安藤百福(ももふく)氏が「食とスポーツを通じて社会貢献を」と志して開業した。安藤氏は、生前「宇治は、宇宙を治めるまち」と述べたとされており、同CCは京都市内や大阪・梅田のビル群まで見渡せる景観を持つことで知られる。
2000年代に入り、それまで27ホールあったコースが12年の府南部豪雨災害により被害を受けた。災害に負けない安全なプレー環境のため、昨年8月にコース改修を終えて18ホールに。これに伴い、役目を終えたホールに惜別と感謝を込めて、桜の植樹プロジェクトを企画した。

グループに分かれ、シャベルで土をかけていった

趣旨に賛同した会員や企業から1000万円以上の寄付が集まった。創業者はじめゴルファーの思いが詰まった宇治の地で、地域住民との絆を深めようと、炭山にある笠取第二小に声掛けし、子供たちに植樹体験を行ってもらった。
先月26日の午後、同小児童17人と教職員らを乗せたバスがクラブハウスに到着。カートに分乗して約1㌔進んで降り、3グループに分かれて、ソメイヨシノの根元に土をかけていった。朝から雨がちの天候だったが、お天道様の祝福か、辺りはすっかり晴れ上がっていた。植樹の後、児童たちはクラブ所属の永井奈都プロと一緒に、パットゴルフを楽しんだ。

植樹の後、プロと一緒にゴルフを体験した

フロント前で開いた終わりの会で、同小の大川透校長が「桜の成長を楽しみにしながら皆さんも成長してください」と児童に呼び掛け。児童を代表し、浅倉杏樹さんが「大人になったら桜を見に来たいです」と挨拶した。
小岸支配人は「京滋バイパスから望める桜の森の眺め…奈良の吉野山のごとく、新しい宇治の名所になるのでは。植樹に参加した子供たちが、大きくなって家族に自慢できるような思い出になれば」と話した。