企画展「戦争遺品展・戦時中のくらし」/9月1日まで・宇治市歴史資料館
初展示の漫画「のらくろ軍曹」、「のらくろ決死隊長」と、絵はがき

宇治市歴史資料館(家塚智子館長)=折居台・市文化センター内=で6日から、企画展「戦争遺品展・戦時中のくらし」が始まる。新たに収集した雑誌やポスターなどを通して、戦時中の人々の暮らしや教育、娯楽の様子を伝える。
この企画展は、戦争当時の記憶を語り継いでいこうと、同館と市平和都市推進協議会(会長=松村淳子市長)の主催で毎年この時期に開催している。
今回は戦地に行った人の軍装品や、出征した人と銃後の人とのやりとりに使われた物、戦意高揚を煽る雑誌などの同館所蔵の資料や同協議会に寄贈された戦争遺品のほか、モニター展示など、計65件137点を展示する。
このうち初展示は4件。終戦を迎えたために使用されなかった昭和21年度採用の海軍志願兵を募集するポスター「海軍志願兵徴募」、雑誌「少年倶楽部」に連載された漫画「のらくろ軍曹」、「のらくろ決死隊長」、軍隊に入営してから除隊までの生活の様子が描かれた絵はがき「入営カラ除隊マデ軍隊生活」を加えた。
紙芝居「村の飛行兵」は全ページを見てもらえるように工夫。子供たちの娯楽だった紙芝居が、戦時中は「国策宣伝、戦意高揚」へ目的を変化させていたことを伝えている。
モニター展示では「宇治市戦争体験アーカイブ動画」が視聴可能。この動画は宇治市在住の戦争体験者の当時の貴重な記憶、証言を映像化したもの。新たに2人が追加され、計8人分を見ることができる。全上映時間は126分。
企画展を担当する教育部博物館管理課の藤岡琢矢主事は、「銃後の人たちが戦争への協力体制を築いていった様子がわかってもらえる。戦争について考える機会としてほしい」と、来館を呼び掛けている。
9月1日(日)まで。午前9時~午後5時。月曜・祝日休館。観覧無料。