茶席で風流な味わいを/黄檗山萬福寺で「全国煎茶道大会」
本堂前の月台で開かれた、小笠原流による献茶式

新茶シーズンを迎えた宇治の黄檗山萬福寺=同市五ケ庄三番割=で18日、第67回「全国煎茶道大会」が行われた。境内各所で9流派が茶席を設け、全国各地から集まった茶道関係者たちを、おもてなしの心で出迎えた。
萬福寺には、煎茶道の祖とされる黄檗僧・月海元昭禅師(売茶翁・ばいさおう)をまつる売茶堂が建立されている。隣接する煎茶道会館には全日本煎茶道連盟の本部があり、毎年5月に連盟主催で全国大会を開いている。
午前9時から境内各所で茶席が開かれ、法堂や松隠堂、東方丈、西方丈などの建物の中で参拝者が風流な煎茶を味わった。午前11時からは本堂前で小笠原流の家元による献茶式が厳かに行われ、参席した社中らが静かに手を合わせた。
黄龍閣別館2階では、第38回「日本煎茶工芸展」が開かれ、茶器など約80点を展示。茶席の合間に訪れた人たちが、美しい作品の数々に見入っていた。