宇治田原町の奥山田川上に創建されてから約800年という正寿院で、6月1日から恒例の『風鈴まつり』が始まる。
参道から本堂へと導くのは花風鈴小径。
手づくりの造花があしらわれており、7月上旬までは紫陽花(あじさい)。【写真】
そこから8月いっぱいは向日葵(ヒマワリ)へと変わり、9月30日の楽日までは秋桜(コスモス)となる。
ハートの「猪目窓」、花で彩られた「天井画」で人気の客殿前、さらに本堂近くには、篠原風鈴本舗(東京都)の伝統工芸品「江戸風鈴」が並び、ガラスの切り口を、あえてギザギザにすることから生まれる明瞭な響きが印象的だ。
吊るされている棚は、川上に移住して5年という木工職人・宮里茂治さんの手によるもので、鈴の総数は2000余り。
「眼」と「耳」を刺激するだけでなく、地元の豊かな自然と茶の香りが「鼻」をくすぐり、お茶菓子は「舌」を魅了、風鈴の絵付け体験が「触覚」を呼び覚ます。
まさに人間の五感で涼を感じてもらう風鈴まつり。本堂には全国47都道府県の風鈴も並ぶ。
境内への飾り付けは、ほぼ完了したが、今年は本堂玄関前が「水引」で包んだ創作風鈴で彩られている。【写真(右)】
正寿院では、石川県の能登地方で製作される水引を使用しており、「地震復興支援」として、鈴の形に合わせた水引カバーを特別注文したもの。
そして販売も行い、価格は2750円。風鈴込みは4000円(いずれも税込み)。その売上を義援金として被災地に届ける。
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風鈴まつりの拝観時間は9時~16時30分。8月1日~16日は御朱印書置きのみ「お盆」限定対応となり、8月17日は施餓鬼会(せがきえ)法要のため拝観不可となっている。
期間中の拝観料は菓子つきで800円。駐車場は約70台分あるが、協力金として、お供えをお願いしている。
また、土・日・祝日は京阪宇治・JR宇治駅から奥山田正寿院口、茶屋村まで直通の特別仕様「宇治茶バス」が運行されている。(「宇治茶バス」の詳細は「京都京阪バス」のホームページを参照)