信貴氏、接戦制し4選/久御山町長選
接戦を制し、4選を果たした信貴康孝氏(中央)

任期満了に伴う久御山町長選挙は25日に投開票が行われ、無所属現職・信貴康孝氏(59)=佐山双置、自民・公明・立憲民主推薦=が接戦を制して、4選を果たした。無所属新人・中井孝紀氏(57)=東一口=の猛追を許したが辛うじて逃げ切った。投票率は45・58%。過去最低だった前回の36・02%を上回ったものの、昨年の町議選50・74%には及ばず、住民の関心は薄かった。
今回の町長選には、3期12年の実績と知名度を背景に、これまでに進めてきた大事業の完遂に使命感を燃やす現職と、多選の是非などを問う新人が立候補した。
信貴氏は、町内9団体の出馬要請や3党の推薦を受け、さらに町政与党議員10人の支持も得るなど、現職特有の力強い支援体制で挑んだ。だが現職であるがゆえに公務が優先され、前哨戦では相手候補よりも出遅れた印象は否めなかった。
さらに相手は町議として6期21年を務め、議会議長も務め、町議選では常に上位当選を果たすなど、経験豊富。圧勝、無投票というこれまでの3選とは違い、陣営では当初から「厳しい戦い」との認識を強め、手綱を引き締めてきた。
告示後は、まちづくりセンター、メディケアセンター、みなくるタウン、中央公園再整備、ルートインホテル誘致とそれに伴う森南大内地区のにぎわい創出などを完遂させるべく4選支持を訴え、当選の暁には安定財源の確保と、その好循環で、少子高齢化対策、地域経済の発展に力を注ぐことを主張してきた。3党推薦、選対組織の規模から、ダブルスコアで決するとの見方もあったが、票差はわずか663票。得票率は56%だった。
敗れた中井氏は、退路を断ち、政治生命をかけて現職の分厚い壁に挑戦。5月中旬の出馬表明以降、住民の声をつぶさに聞き歩き、公約「未来につながる30事業」に集約。選挙戦では多選や現職の政治姿勢への批判も繰り返しながら、町内全37自治会でスポット演説を行うなど、きめ細かな活動で支持を拡大。「現職の背中が見えてきた」との言葉通り、善戦した。

■久御山町長選 開票結果
信貴康孝 3065票=当選=
中井孝紀 2402票