宇治市長の松村淳子氏(66)は29日、任期満了に伴う市長選(12月1日告示・8日投開票)に2選を目指して立候補することを正式に表明した。無所属で立候補し、自民、立憲民主、国民民主、公明に推薦を求める方針。減災・防災の充実、子供の医療費助成の拡充などに取り組むことを表明した。
過去に市長選のしこりから市政運営がスムーズに進まなかったことを踏まえ、4年前、国政与野党(自民、公明、立民、国民、維新)、経済・労働団体などの「オール宇治」が、京都府健康福祉部長だった松村氏を擁立し、松村市政が誕生した。
この間、新型コロナ対策、紫式部ゆかりのまち宇治の取り組み、ゼロカーボンの推進、ヤングケアラー相談窓口の開設、西小倉地域小中一貫校や給食センターの整備着手、公立幼稚園3園の統合、国道24号沿道地区での産業立地、近鉄小倉駅周辺まちづくりなどに取り組んできた。
今年9月以降、市議19人で構成する『活力ある宇治をつくる議員連盟』(堀明人会長)、自身の後援会(小山茂樹会長)、日本商工連盟宇治地区(山仲修矢代表世話人)、市観光協会(中村藤吉会長)など5団体が出馬を要請してきた。
1期目と同じ市産業会館を出馬会見の場所とした松村市長は「改めての出馬を決意した。50年先、100年先を見据えた新たなふるさと宇治をつくっていきたい、との思いで取り組んできた。種をまいて芽を出したものもあるが、芽を出そうとしているものもある。この芽が大きな木になるように取り組みたい」と決意の一端を述べた。
次の4年間、『安全』をキーワードに減災・防災の充実を掲げ、西消防署に関しては「現地建て替えが軸」との現場の意見を尊重して早期に整備するほか、在宅ケアを含めた医療・介護体制の充実を図る。子供の医療費助成は現在、中学3年生までとなっているが、高校3年生まで拡大し、自己負担額(現在、月額200円)について検討。公立幼稚園の跡地を活用した不登校対策など教育環境の充実も図り、公共交通に頼らない移動手段についてもエリアを定めて実証実験を実施していく。
また、都市計画マスタープランに位置付けている新名神高速道路・城陽スマートインターチェンジから中宇治地域に至る『構想路線』に関しては「都市計画の中に位置付けてもらえるよう、引き続き国・府に要望する」とした。
松村市長は「市民参画・協働で、これまでの取り組みを、さらに前に進める。宇治をさらに充実したまち、住みやすいまち、住み続けたいまち、となるよう、全力で取り組みたい」と力を込めた。
無所属で立候補し、今後、議連を外れた維新を除く4政党(自民、公明、立民、国民)に推薦を要請する。11月中・下旬にマニフェストを発表。20日(水)には市役所近くに確保した事務所を開設するほか、23日(土・祝)には決起集会を開く。
なお、市長選への立候補表明は初めて。共産など革新系が候補者擁立を進めている。