共産党洛南地区委員会委員長で新人の石川和司氏(いしかわ・かずし、65歳)=京都市山科区=が15日、ゆめりあ・うじで会見を開き、市長選(12月1日告示・8日投開票)に無所属での立候補を正式表明した。革新系の市民団体『こんな宇治プロジェクト』が擁立。石川氏は「一人ひとりが安心して暮らせるようにする」と決意を述べた。
市民団体『こんな宇治プロジェクト』は「こんな宇治にしたい」との願いを持った市民有志が前回の市長選(2020年12月)に際して立ち上げたもの。市民主導で長廻千春氏を候補者として擁立し、選挙を戦った。
現在、佐々木真由美市議(無所属)、宮本繁夫市議(共産)、水谷邦恵氏(新日本婦人宇治支部長)、長廻氏(介護福祉士)ら11人が世話人。14日夜、世話人会を開き、候補者として石川氏の擁立を正式決定した。
石川氏は神奈川県横須賀市出身。京都大学文学部を卒業後、民青同盟の専従職員を経て、共産党府委員会の専従職員・役員として党勢拡大に尽力。府委員会では南地区委員長、京都国政事務所長を経て、20年9月に洛南地区委員長となった。
会見で佐々木共同代表は「少しでも多くの人が『こんな宇治にしたい』との思いで集まってくる選挙にしたい。国、京都府の方を向くのではなく、ボトムアップの政策を実現するため、身を粉にして働いてくれる市長になってほしい。21宇治市民ネット(共産、宇城久地区労、市職労などで構成)の市政要求アンケートには1200通ほど回答が寄せられ、生活が苦しいとの悲痛な声、市民のが届く市政に、との声があった。今の市政を変えたい、との思いを実現できるよう頑張りたい」と述べた。
石川氏は「市政要求アンケートでは経済的な苦しさ、暮らしていけないが8割。国がひどいが、国の施策を待っていたら何もできない。自治体として暮らしを守る。一人ひとりが安心して暮らせるよう、生活を支えられるような市政をつくるため、全力を挙げたい」と決意の一端を述べた。
具体的には子供医療費18歳までの無料化、学校給食の無償化、中学校給食の早期実現、移動手段への補助、公民館の存続、文化活動の活発化などを紹介。北陸新幹線の延伸計画にも反対の声を上げていく。
立候補にあたり、共産党は離党せず、無所属を選択。石川氏は「生き方は共産だが、市政は市民の声に従って、それを実現するために頑張る。共産の政策・方針を押し付けることはない。皆さんと一緒に市政を担うので、無所属が相応しい」と説明。今後、共産の推薦を求めていく。
選挙事務所は市役所近くに確保。今後、事務所開き、決起集会も予定しており、公約も「こんな宇治プロジェクト」と相談の上、決めていく。
なお、市長選には現職・松村淳子氏(66)、新人・柿原教宏氏(48)が立候補を表明済み。3人による争いとなる見通しとなった。