宇治市長選挙は8日、投開票が行われ、現職・松村淳子氏(67)=自民、公明、立民、国民推薦=が3万335票を獲得し、新人・石川和司氏(65)=共産推薦=らをトリプルスコアで退け、2選を飾った。得票率69・1%は歴代2位の高さ。新人・柿原教宏氏(48)も善戦し、供託金(100万円)没収ラインをギリギリでクリアした。投票率29・73%は過去最低で、初めて30%を割り込んだ。
選挙戦は一大争点がなく、超低調ムードで推移した。期日前投票は1万3637人で前回比6・4%増となったが、制度の定着、期日前投票所が1カ所増えて3カ所になったことを鑑みると、楽観視できない状況で迎えた投票日。市選挙管理委員会が啓発を強化したが、途中で雨が降ったこともあり、投票率は29・73%(前回比4・31ポイント減)と過去最低だった32・07%(2004年)を更新し、初めて30%を割り込んだ。
松村氏は「まちづくりがしたい」という初志貫徹で、それには時間がかかることを丁寧に説明。「喜びや希望を実感できる新たなふるさと宇治を目指して」をスローガンに「安心・躍動・創造」の柱にした79項目の公約を示し、有権者に訴えた。
市議会(定数28)の与党議員19人を中心し、自民・公明・立憲民主・国民民主の政党、各種団体・組織の推薦・支援を踏まえた分厚い選挙体制を築いた。1期4年間の実績を武器に、選挙戦を優位に進め、3万335票を獲得。得票数こそ前回から1688票減らしたが、得票率69・1%(前回比6・6ポイント増)は1966年10月、新庄義信氏の87・1%に次ぐ歴代2位で、2期目推進への大きな原動力となる。
石川氏は前回の革新候補同様、市民主導の「こんな宇治プロジェクト」を選挙母体として戦ったが、9141票で敗れた。前回の長廻千春氏が獲得した1万9233票から半減。出遅れに加え、柿原氏の立候補で現市政の批判票が分散したことが響いた。
柿原氏は「たった一人」で戦う中、4434票を獲得。得票率10・1%と供託金没収ライン(有効投票数の10%)を超える善戦を見せた。
■元職・荻原氏が4選/宇治市議補選
宇治市長選と同時執行された欠員「1」を争う市議会議員補欠選挙は8日に投開票され、無所属元職・荻原豊久氏(58)が共産新人・佐藤正志氏(73)を下して4選を飾った。