相手を愛し、慈しもう/平等院で春を呼ぶ「関白忌」
本尊阿弥陀如来像坐像の前で法要が営まれた

世界遺産の平等院で2日、創建者の関白・藤原頼通の忌日をしのぶ第952回「関白忌」が国宝の鳳凰堂で厳かに営まれた。
頼通の命日の承保元(1074)年2月2日の旧暦に近い3月2日に開いている年忌法要で、鳳凰堂の堂内で行われる唯一の行事。山城地方に春を呼ぶ行事として親しまれている。
この日は、宗派を超えた旧宇治町の寺院でつくる宇治組仏教会の僧侶6人と平等院の住職ら5人、松村淳子宇治市長ら来賓が列席した。
法要後、導師を務めた神居文彰住職は挨拶に立ち、昨今の「秘匿すべき約束事を自分の主張のために外に出してしまう」問題や「国同士の首長が相手を罵り合う」事態に触れながら、「ブッダは『怒りは自分で毒を飲んで相手が死ぬことを望むようなもの』と警告している。相手を愛し、慈しもう。『理解することは相手を認めること』ともある。私たちが望むのは、とこしえの幸せ」と慈悲の心を説いた。