「聴こえやすい」市民窓口を/京田辺市
音声が真っ直ぐクリアに伸びる(京田辺市役所2階健康福祉部)

京田辺市は市庁舎2階各課の市民窓口などで「相手の声がより聞き取りやすい」補聴システムを3月初めから導入した。企業版ふるさと納税の寄付を活用した最新鋭の補聴ツールはベールを脱ぎ、活躍を始める。
匿名企業から寄せられた600万円相当のふるさと納税を使い4種類ある26台を購入。
これまで手続きや書類交付など、市民と職員が直に顔を向かい合わせる窓口に備えていた補聴用具は、耳に当てるタイプの集音器で「ノイズ(雑音)が課題だった」という。
3月当初より、庁舎2階にある市民・健康福祉部の窓口のほか、北部・中部の分室を含む図書館、北部住民センター、三山木福祉会館に配置。
対象児童・生徒が居る大住小・培良中でも各2台を備える。
稼働を始めた東和薬品㈱製「対話支援システム・コミューン」は、聞き取りやすいクリアな音・耳に真っ直ぐ届く強い指向性・脳が認識しやすい音の3点を売りにする優れもの。
バッテリー完備で持ち運びができるタイプや、マイクと無線接続ができるものなど4類型があり1台当たりの単価は数十万円。
耳が遠くなってきた高齢者などの需要も高まり行政機関窓口での態勢強化が課題となる今、姿を現した最新型のツールだ。
福祉の窓口に携わる職員は「ノイズが少ない。広範囲に声が広がらない。これまで耳の遠い方が声を張りあげるケースは多かった。聞こえやすくなることで改善も望める」と期待を寄せる。
子育て支援やまちづくりなど…様々な事業に役立てられる企業版ふるさと納税で、市の寄付受入額は2023年度に約3200万円を計上。
対象事業は希望に柔軟に応じることもできるという。
市外企業の提案や匿名の寄付も増えている。
問い合わせは市企画調整室℡0774‐64‐1310まで。