六百巻の大般若経を転読/宇治田原・禅定寺で開山忌法要
大般若の転読会…経典を扇のように広げて手から手へと流し込む

宇治田原町にある曹洞宗の古刹…禅定寺で18日に開山忌法要が営まれ、中興の祖とされる月舟宗胡(げっしゅうそうこ)禅師の遺徳を顕彰。参拝者が静かに手を合わせた。
禅定寺は、平安時代に十一面観音立像を安置して創建されたが一時、建物が消失するなどして荒廃。延宝8年(1680)に加賀からやって来た月舟宗胡が曹洞宗の寺として再興した。
その月舟禅師が元禄9年(1696)、79歳で亡くなってから、今年で330回忌。
曹洞宗の京都府第二教区にあたる宇治、久御山、井手、淀、八幡の寺から8人の僧侶が集まり、久保敬童住職の導きで経典を呼んで遺徳を偲んだ。
そして、月舟禅師が寺の復興を記念して奉納した大般若の転読会も執り行われた。

六百巻に及ぶ般若経は、禅師の刻印も鮮明に保管されている

この六百巻に及ぶ般若経は、30年前の300回忌の際に修復され、禅師の刻印も鮮明に保管されている。
僧侶らは鐘の音に合わせて、蛇腹折りの経典を高く持ち上げ、香の煙が漂う中、扇のように広げてパラパラと一斉に手から手へと流し込んだ。
また、この日は昭和の大戦で亡くなった地元、禅定寺地区の戦没者追悼会も営まれ、区長をはじめ、遺族らが英霊の冥福を祈った。