1974年に操業開始したサントリープロダクツ㈱宇治川工場=城陽市富野荒見田=で8日、「50周年感謝の会」と新築竣工したプロダクションセンター「開所式」が盛大に開かれた。地域の団体や学校等にも開放する同センターは1階部分に宇治川工場の歴史や商品紹介スペース、2階にはミーテイングスペースを設置。城陽市にちなんで会議室の名称も「梅」「しらさぎ」と名付け、地域との調和や共生を図っていく意気込みが感じられる施設となっている。
国道24号沿いにある宇治川工場は、サントリーとして関西初、国内での2番目の清涼飲料水製造拠点として、ちょうど半世紀前に操業。城陽の豊富な地下水を活用して「サントリーコーラ」を皮切りに、今では「クラフトボス」「BOSS無糖ブラック」「GREEN DA・KA・RAやさしい麦茶」などお馴染みの商品を製造し、消費者らに届けている。
その上、同社は、JOYO産業まつり、城陽マラソン「JOYO五里五里RUN」など地域イベントに貢献。ふるさと納税の返礼品でも飲料水が人気№1となっているが、これまで市民が工場内に足を踏み入れる機会はほとんどなく、地域開放や工場内の拠点集約による約300人(協力会社を含む)の従業員同士の交流が課題だった。
そこで、敷地内の駐車スペースを活用して、昨年12月に鉄骨造3階建の「プロダクションセンター」=延べ床面積約2400平方㍍=の新築工事に着手。開放的な吹き抜けや自然換気・採光の省エネ機能、さらに高断熱材、太陽光発電の導入により、環境省からサントリーグループ初の『ZEB』認証を受けた。
先月28日の竣工を受け、そのお披露目も兼ねて開かれた「50周年感謝の会」と同センター「開所式」には、来賓として城陽市の奥田敏晴市長と村田正明副市長、同市議会から小松原一哉議長、城陽商工会議所の岩見悦明会頭、城陽警察署の藤田尚孝署長や取引先関連会社の役員ら約100人を迎えた。
関西フィルハーモニー管弦楽団の弦楽四重奏が奏でられた後、山本幸夫工場長がスライドを使って施設概要を説明。従業員ら全員の顔で描かれた同センターの外観「フォトモザイク」が除幕され、出席者らは早速、工場内を見学。
関フィルのテノール歌手で西城陽高校合唱部OBの中島康博さんが歓喜の歌声を響かせ、サントリー食品インターナショナル㈱の小野真紀子代表取締役社長が「宇治川工場50年の歴史は、サントリーの清涼飲料事業の歴史そのもの。当初、清涼飲料の事業規模は大変、小さなものでしたが、今やサントリーの大きな柱の一つ」と挨拶。さらなるグローバル化にも意欲を示した。
奥田市長は「プロダクションセンターが地域をはじめ多くの方々に親しまれ、サントリー宇治川工場が愛されるきっかけになることを期待します」と祝辞を添えた。
取引先を代表して鴻池運輸㈱の鴻池忠彦代表取締役会長兼社長執行役員の挨拶、サントリー食品インターナショナル㈱の内貴八郎取締役専務執行役員の発声による乾杯で祝宴に移った。
なお、自治会など地域の団体や学校への同センター開放は原則、事前申し込み制とする方向だが、詳細は調整中。行政とも相談する中で後日、公表予定。