7月開始、当面見送り/宇治川の鵜飼

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宇治市観光協会は4日、新型コロナウイルスの影響を踏まえ、宇治観光の夏の風物詩『宇治川の鵜飼』に関して、7月1日の営業開始を見送ることを発表した。観覧船内の密集、密接などが課題で、安全な形での催行が困難と判断。延期期間も定まっておらず「当面の間」としている。
宇治川の鵜飼は、宇治川派川「塔の川」を舞台に、風折烏帽子と腰蓑を身にまとまった鵜匠と、追い綱をつけたウミウが繰り広げるショー。夜の帳(とばり)が下りた川面を、かがり火が照らし、幻想的な雰囲気に包まれる。
鵜匠の手綱さばきで、勢いよく魚を獲りに水中に潜るウミウ。獲物を獲得して舟上にいる鵜匠の元に戻り、魚を吐き出すと、周囲を取り囲んだ観覧船からは大きな拍手が沸き起こる。
宇治観光の夏の風物詩だが、宇治川の増水などで幾度となく中止に追い込まれる。昨シーズンも「宇治川塔の島地区河川改修事業」の影響で、塔の川に流れ込む水の量が増え、流速がアップ。通常の水量でも観覧船が出せなくなり、予定していた期間(7月1日~9月30日)の間、営業できたのは39日間にとどまり、休業日53日間は過去最多となった結果、利用者は2600人余りにまで落ち込んだ。
巻き返しに向け、関係者は今シーズンの準備を進め、既に予約も受け付けているが、新型コロナウイルスの終息が見通せない中、全国から観光客を安全な形で迎え入れることは困難と判断。7月1日からの営業開始は見送ることを決めた。
市観光協会は「いつまで営業を中止する、というのを示したかったが、そのめども立っておらず『当面延期』としか言えない。現時点では(9月30日までの)今シーズンの中止までは決まっていない。ただ、仮にそういう事態になるなら何か対策を考えたい」と話し、理解を求めた。

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