コロナ禍で数ある大会がなくなった部員たちに発表の場を―と、宇治市中学校吹奏楽連盟(会長=田中康・宇治中校長)は6日、市文化センター大ホールで市内11校参加の「交流会」を開いた。苦楽を共にした先生の呼び掛けに応じた部員たちがステージで息の合った演奏を披露し、伸び盛りのエネルギーを見せつけた。
今年は残念ながら吹奏楽コンクールやマーチングコンテストなど、府・関西・全日本のいずれも早々に中止が決定。全国舞台でも卓越したパフォーマンスを繰り広げる地元校の部員たちは春先から臨時休校が続く試練の年となった。
特に、3年生にとって中学校生活の集大成と位置付けていた晴れの舞台がない喪失感は計り知れず、宇治中顧問の梶原正之・同連盟理事長をはじめ、日ごろ部員に寄り添う各校教諭らが交流会の実現に奔走した。
この日、11校の吹奏楽部員1~3年生約500人(うち3年生は約200人)が午前・午後の部に分かれ、制約がある中で磨いた演奏を披露した。
感染防止のため、部員と連盟関係者らのみが入場し、席の間隔もあけ、各校12分の持ち時間の中で2~3曲を発表。壇上の部員たちは、タクトを振る顧問の意に呼応し、情熱と力を感じさせるパフォーマンスを演じた。
この中、昨年度の全日本コンテストに出場した東宇治中は「銀河鉄道999」をマーチング仕様で演奏し、いきいきとした躍動感にあふれた。
宇治中の永岡優里部長・野口葵DMは「コロナがあり、みんなのやる気が低下した。大会がなくなり、どこを目指せばよいか分からない。これではアカンと、ミーティングを重ねた。個人とパート練習が続き、休日も午前中だけで、合わせるのも屋外」と、ここに至る苦難を振り返りながら、壇上で今できるベストに努めた。
演奏順と曲目は次の通り。
▽南宇治=名誉が勝るとき、シロクマ
▽立宇治=彼こそが海賊、髭男メドレー、A・DISNEY・SPECTACULAR
▽広野=三日月の彼方、学園天国
▽西宇治=三日月の彼方、星影のエール
▽東宇治=Riverdance、銀河鉄道999
▽槇島=青のやまなみ、GUTS!
▽西小倉=ルーナ夫人ハイライト、魔女の宅急便メドレー
▽黄檗=名探偵コナン、ガブリエルのオーボエ、斑鳩の空より
▽北宇治=トイズ・パレード、七つの湖
▽宇治=トゥーランドット、BOHEMIAN・RHAPSODY
▽木幡=斐伊川に流るるクシナダ姫の涙、ディープ・パープル・メドレー
■FMうじで「全編放送」
なお、この模様はFMうじで21日(月・祝)午後7時から全編放送される(再放送27日同時間帯)。