井手町立多賀小学校の6年生(18人)が10日、3・4校時を利用し、京都工芸繊維大学情報工学・人間科学系の稲葉宏幸教授から、情報セキュリティをテーマにした授業を受けた。府教育委員会の事業「子どもの知的好奇心をくすぐる体験授業」を活用した。
稲葉教授は暗号技術を取り上げた。その中で児童らは、アルファベットを辞書の順番に決めた数だけずらして作る「シーザー暗号」に挑戦した。
まず自分の好きな言葉をローマ字に置き換え、何文字ずらすかを決めると、教材として用意された円盤を使い、ずらしたアルファベットで表記。これが暗号となった。
暗号ができると、友達と交換しお互いに解読。ずらした文字数が分からないため、1文字ずつ試しながら読めるローマ字になるかどうかなど、苦心しながら解き進めた。
解読に成功したのは4人。稲葉教授が解いた方法を聞くと、「語尾がAIUEOのどれかになる位置をまず探した」と答える児童も。教授は「日本語のローマ字表記は終わりが母音になるので、5通りに絞れる」と感心した様子だった。
終わりに稲葉教授は、「リモートワークでますます情報セキュリティは重要になる。コンピューターやスマホで情報を安全に扱うには、数学を使い順序立てて考えることが必要。これからいっぱい勉強して、世界の人がたくさんの情報を安全に活用できる未来を作って」と、期待を込めて話した。