2本のポールを使って歩くフィンランド生まれのスポーツ「ノルディックウォーキング」の体験会が21日、宇治田原町の新庁舎周辺で開かれ、定員枠がすぐに埋まった先着30人の住民が、国道307号から役場に続く町道「南北線」の長い坂道を颯爽と歩いた。
現在、世界中で人気が高まっているノルディックウォーキングは、年齢や身体能力にかかわらず、アスリート養成、老化防止、リハビリ、ダイエット、中性脂肪低下など目的に合わせて運動強度がオーダーメイドできる生涯フィットネス・スポーツ。
クロスカントリースキーの選手が夏場のトレーニングとして始めたのがきっかけで、ヨーロッパから広まった。
ポールを使うことで下半身だけでなく、上半身も使う全身運動となり、通常のウォーキングよりも約30%高いカロリー消費効果があるほか、足腰へのストレスが和らぎ、常に3点支持で体を支えるので、坂道や滑りやすい場所でも安心して歩くことができる。
近年、認知症予防への効果も注目されており、京都府内でもブーム到来の予感漂う中、この日は同町健康対策課の呼び掛けに応じた興味津々の老若男女が役場前に集まった。
講師を務めたのはNPO法人・日本ノルディックフィットネス協会(JNFA)理事でマスターインストラクターの大田千賀子さん。
まずはウォーミングアップから始めたが、ポールを使った動きは、とても理に適ったもので、なかなか多彩。
また、専用のポールはセットで1万円前後するが、関節のような役目をするハンドグリップが優れもので、道路と接地するアスファルトパットは斜めの形状で体を前へと推進。それを外すと柔らかい地面用のスパイクになる。
そして、体が温まったところで、いよいよウォーキング。いつもと違った感覚に最初は、やや戸惑いながらも、すぐに歩行スピードはアップした。
コロナ感染予防のマスクを着けての参加だったが、アウトドアでソーシャルディスタンスも確保できる「新たな歩み」に、前を見つめる目は微笑みをたたえていた。