城陽市寺田の鴻ノ巣山散策道沿いにある「花しょうぶ池」が見事に復活した。
２年前に池の中に植え替えられた約５００本に及ぶ紫色のハナショウブの花々が今、見頃を迎えている。
この池は約30年前に整備され、完成当初は、初夏の催しとして「花しょうぶまつり」が開かれていた。
しかし、まつり会場が観音堂の「花の小径（こみち）」周辺に移行し、それ以降は池の管理が行き届かなくなり、いつの間にか…花のない「花しょうぶ池」となってしまった。
ここ最近の健康ブームにより、散策道でウオーキングを楽しむ地域住民も増える中、城陽市商工観光課と市民グループ「鴻ノ巣山を守る会」（梅川甚三郎会長）、そして近くにある府立城陽高校の生徒が２０１８年10月、池の中のハナショウブの株の植え替えを実施。
同校美術部の生徒たちも花々が咲き誇ることに願いを込めて「花しょうぶ池」をＰＲする看板を設置した。
梅川会長（74）によると、その後、市内の造園業者が丹念に池の中の管理を行い、一昨年に数輪が咲いたのに続き、昨年は５月下旬から徐々に紫色の花々が開花。見栄えも良くなった。
そして、３年目の今年は「去年の２倍に花が増えた」（梅川会長）というように、さらに見応えがアップ。日当たりの良い場所が紫の花々が咲き誇り現在、７～８割ほどのハナショウブが見頃を迎えている。
ハナショウブを毎年、継続して咲かせるためには「業者を変えずに、継続して管理してもらうこと」と梅川会長は切望。同市シルバー人材センターが担当している秋と冬の施肥や年２回の草ひきは欠かすことができず、守る会のメンバーも日常的に池の管理をサポートしている。梅川会長は「市商工観光課や造園業者が熱心に取り組んでもらい、池の中のハナショウブが年々、きれいに咲いていくのが楽しみ」と話す。
花の見頃は、今月中旬まで。ただし、池の周囲での見学は大歓迎だが、池の中に入り踏んでしまうと、土が固くなって生育に影響が出るほか、株が傷む可能性があり、梅川会長は「マナーを守ってハナショウブの観賞を」と、ハイカーに呼び掛けている。