久御山中央公園の今後の活用方法を探る「くみやま・まちのがっこう2021~withコロナ社会での食と遊びの実験~」が3日、同公園で開かれた。ポカポカ陽気にも恵まれ、大勢の親子連れでにぎわった。
同公園とクロスピアくみやまを活用して、「食」をテーマに交流と憩いの場を作り、にぎわいを生み出す「まちのにわ構想」の実現に向けた実証実験イベント。昨年の1~2月にも開いている。今回は同公園を楽しく面白く活用するために集まった住民主体の運営組織「KUMIDAN」(平野典子団長)が主催。同公園を、チャレンジできる、つながれる、大人も行きたくなる公園にするために様々な取り組みを展開する。
このイベントを町の広報紙や口コミで知った計1100人の住民らが、徒歩や自転車などで10時の開始前から同公園の北側エリアに続々と集まり、飲食や物販のマルシェ、ワークショップなど多彩なコーナーを巡回。
広場ではこの夏に噴水から生まれ変わった円形ステージの周囲を、たこ焼き、スイーツ、パンなど飲食10店がぐるりと取り囲んだ。来場者が行列を作り、正午ごろには売り切れる店が続出した。
ステージと児童広場の間は、新たに設けた階段通路で動線を確保。ここではヨガ体験が行われたり、フリーマーケットやジェルネイルやハンドマッサージ、星占いといったワークショップが並んだ。
ステージでは、ダンスサークル「GRINCREW」のキッズダンスや、野菜の育て方や種植えを体験できる地元農家による久御山野菜のワークショップ。また「歌う園芸作家」が自慢のノドを披露し、来場者を楽しませた。幼児広場では多くの子供が遊具で楽しんだ。
KUMIDANの平野団長は「皆さん、楽しそう。このような場所を求めていたんだと感じた。大人も子供も全世代が楽しんで学べる公園を作り上げていきたい」と手応え。来場者にはアンケートも実施、公園の活用方法に生かす。今後、樹木に電飾を施し公園を光で彩る「『クミナリエ』も開催予定なので、お楽しみに」と話していた。
マルシェに出店した園芸店「デル・ムンド」の石川潤さんは「中央公園は今までうまく活用されていなかったが、みんなが憩える場所にしようとする取り組みは大正解」と話し、他の出店者も「これだけ人が集まってくれて大成功」と口を揃えた。
同町野村から2人の子供を連れて参加した女性は、コロナでイベントの中止が相次ぐ中、「こういったイベントは嬉しい。子供たちが友達と会えて喜んでいる。家も近いのでまたやってほしい」と期待していた。東一口から3人の子供を連れて家族全員で来たという女性は「落ち着いて食べる場所がもう少しあれば。でもとても楽しい」と笑顔を見せた。
同構想を提案した京都大学大学院の山口敬太准教授は「もう少し落ち着いて座れる場所を増やしたい」と今後の課題を挙げる一方、「ここで見て聞いて体験することによって、地元の農家やお店に愛着を持ってもらいたい。楽しい公園へ徐々に進化していけたら」と、好感触を得ていた。