府立田辺高校(森下昌彦校長)の機械技術科2年生25人は13日、市内にある6事業所を訪れ、将来を見据えた探求心を盛んにさせた。
京田辺市と同校は連携を密にし、1年次生から地元ものづくり企業と接する機会が増している。
工場見学やインターンシップ、社長を学校に招く講義、企業紹介などの機会を生徒に提供するのをはじめ、文化祭で地元企業がブースを開いて生徒のみならず保護者とも交流を深めている。
市は、「今の生徒たち、若い世代がいわゆる町工場に関心が向くかというと、実際はそうでもないと思う。人間関係づくりをベースにした取り組み」と新たな視点に基づいたアプローチを推進。
ものづくり関連業界も人材不足に悩む中、市との連携を深める。
ものづくりの現場を直に見て、触れる工場見学は16年にスタート。
昨年はコロナ禍でオンライン開催し、生徒が直接訪問するのは約2年ぶり。
現在の2年生は初めての機会となった。
■ものづくり女子も
3グループに分かれ、それぞれ午前・午後に各1社を訪問。
㈱ヒロミツ製作所=大住池ノ端=では、有友廣充代表取締役社長が、CADやプレス、レーザー加工、組み立てなど12に及ぶ工程と現場を自ら生徒8人に案内した。
〝ウン千万円〟するという工作機械を目の当たりにした生徒たちは、同校先輩が働く姿にも触れ、作業の様子に真剣なまなざしを振り向けた。
同校生徒のインターンシップを受け入れ、文化祭にブースを出すなど積極的に動く有友社長は「大手自動車メーカーと取引を続け、コロナ禍でも仕事ができている。進路の相談も気軽にしてほしい」と呼び掛けた。
2人の女子のうち、山内嵯和子さんは「面白そう。鈑金、プレスのあんな大きな機械を初めて見た」と感心していた。
来年に法人化60年を迎える同社は自動車産業向けの試作鈑金や部品製作を手掛け、先端デジタル技術と創業以来の職人技によるアナログ技術の融合で難度の高い加工案件に応え、得意先から高い信頼を得る。