中学時代から「がん」予防を/宇治田原『命の教育』

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日本人の死因1位である「がん」をテーマにした『命の教育』が24日、宇治田原町の維孝館中学校で行われ、予防や早期発見の大切さを学んだほか、実際に「がん」を経験した女性が、告知された時の心境などを包み隠さず伝えた。
2020年の統計によると死因全体の27・6%を占めるのが悪性新生物である腫瘍「がん」。2位の心疾患15%を大きく引き離している。
今回、2年生66人を対象にした講義は和みホールで開かれ、まずは京都山城総合医療センターがん診療部長の小池浩志さんが、予防法について解説した。
1つは「運動不足」にならないこと。中学時代は持久力や筋力が発達する時期なので「運動を続ける」ことが大切。適度な運動は病気になりにくい体をつくり、「特に大腸がんの予防に効果がある」とした。
また、偏っていないバランスの良い食事、十分な休養と睡眠が免疫力を高めるとし、健康的な生活習慣を今のうちに身につけることが重要と諭した。
しかし、運動や食事に気を配り、タバコを吸わない、深酒もしない規則正しい生活をしていても、がんを100%予防することはできない…と述べ、「それなら早く見つけて治しましょう」と呼び掛けた小池さん。
ステージ1(初期段階)で治療した場合の生存率は胃がん97・7%、肺がん84・6%、大腸がん99・1%、乳がん100%、子宮がん93・7%との数字を示したが、「がんは検査でやっと見つかる程度の直径1㌢まで大きくなるまで10~20年かかるが、2㌢まで膨らむには1~2年しかかからず、この間の自覚症状は、ほとんどない」と説明。
だから「がん検診は同じところで受け、検査結果の比較で小さな変化を見つけることが大切。このことを自分の大切な人に伝えてください」と訴えた。
そして、経験者として生徒の前に立ったのは京都府がん教育推進メッセンジャーの今井美鈴さん。
「検診を続けていたから、がんに対する心づもりはできていた。だから乳がんを告知された時のショックはあまり大きくなかった」と語ったが、乳房を全てとる…という判断に至るまでの苦しさは想像を超えていたといい、「毎日、楽しく過ごそう、楽しく、楽しく」と自分に言い聞かせて生きていたという。
最後に今井さんは、こう言った。「がんになって乳房はなくしたが、人生を支えてくれる人ができた」「ひとりぼっちではない…ということが分かった」。

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