近鉄新田辺駅とJR京田辺駅をはじめ新市街地計画予定地に近接した京田辺市田辺西浜の木津川堤防近くで、新田辺排水機場・田辺地域治水対策事業の着工を祝う会が開かれ、地元区長や地権者、来賓ら約150人が思いを新たにした。
現在の田辺排水機場は1959(昭和34)年に建造で、市内中心部を流れる防賀川から木津川へ排水するポンプ施設。
60年以上経過して老朽化は進み、流域開発で排水量も増加。
構造が法令の基準を満たさず、防災面も更新を迫られていた。
綴喜西部土地改良区が申請した府営事業は当初18億円の総事業費を見込み、2019~26年度の期間を設定。
1台から2台へ増やすポンプの排水量は毎秒10立方㍍までアップし、農地の湛水を防ぐ。
そして、防賀川「新西浜樋門」の新設と合わせて改修を進める。
新たな樋門は、概ね50年に1回起きるか、という洪水(毎秒27立方㍍)に対応する流下能力を設定。
防賀川流域は最近も、2012年の府南部豪雨、翌13年の台風18号で家屋などの浸水被害が発生。
13年の際の出水浸水は木津川堤防北側の広範囲にわたり、農地のみならず田辺中央北新市街地として今まさに土地区画を進めているエリアの一部も含まれる。
11月13日に行われた着工を祝う会(京田辺市、綴喜西部土地改良区主催)で、式辞に立った上村崇市長は「田辺地域でも13年の台風で浸水被害が発生。市街地の多くは内水排除が困難。府による新西浜排水機場と新西浜合同排水樋門の整備は治水安全性の向上につながる」と期待を寄せた。
さらに、「市施工の新西浜放水路整備、府実施の防賀川上流部の河川改修で田辺地域が長く悩まされた内水排除が進む」と強調した。
上村市長と国・府などの関係者が鍬入れを行い、安全な工事進捗を願った。