ハンドボール教室起点に地域づくり/京田辺
ボールに触れて友と交流を深めたハンドボール教室の参加児童たち

京田辺市ハンドボール連盟・市共催「ハンドボール教室」に参加する子供たちの歓声が響く。
1988(昭和63)年の京都国体で同競技会場となった京田辺市。小学生ハンドボーラーの聖地として夏に開かれる全国大会は長年続けられている。
そして地元児童たちを対象にする教室は、それ以前から。
21年東京オリンピックに出場した日本代表チームのうち、男子の杉岡尚樹(トヨタ車体)、女子の田邊夕貴(ドイツブンデスリーガ・チューリンガーHC)の両選手は地元出身であり、教室がきっかけになった。ほかにも、日本リーグに数多くのプレイヤーを輩出してきた。
86年スタートの小学生教室は、市・小体連の運営から、市・連盟の共催へ。
「走る!跳ぶ!投げる‼」を掲げ、スピード感あふれるプレーでこれら3要素を養おう。相手ゴールにボールを投げ、入った得点を競う競技を楽しんで、とアピール。
全学年(クラブによって対象外あり)で初心者向けのハンドボール基礎技術習得を目指す練習に参加を呼び掛け、1~2月の土曜(5回)に合わせ、済美館(田辺小)・三山木・普賢寺・田辺東・松井ケ丘・T‐SQUARE(薪・桃園)の6クラブで児童たちがボールに触れ、交流を深めた。

■クラブ移行 メリットは
学校からクラブチームへ―6クラブが加盟する市ハンドボール連盟の奥田秀登会長(54)=普賢寺御所ノ内=は「児童や保護者のニーズに合う」と期待を寄せる。
通学校以外のクラブに参加でき、日程と場所をみながら、ほかの習い事などと両立できる幅は広がる。働き方改革が課題となる先生に替わり、地域の人や保護者らが講師・助手を担う。練習日は週1回があれば、数多く行うクラブもある。連盟登録の児童数は約250人(昨年4月)。

様々な学年の児童たちが交歓を弾ませた

三山木小学校で11日に開かれた教室には低学年中心に約20人が参加し伸び伸びとボールを投げ、つかむなど楽しんだ。
児童らは「試合でシュートを打てた。続けてみたい」、「ジャンプしてゴール。ボールが取れへんかった」、「試合ができてよかった」など様々な感想を述べ、充実感がにじむ。
奥田会長は「機運を盛り上げて競技人口の増加へ。ハンドボールだけでなく、色々なスポーツに親しめる地域づくりを。地域活動も取り組んでいきたい」と声を強める。
3年ぶりとなる市・連盟共催の交流大会は25日(土)、田辺中央体育館で行われる。教室の参加者も出場でき、学年に分かれた男・女約320人が熱戦を展開する。6年生は卒業前最後のプレー機会となる。