高齢化率(33・86%)と府南部市で最も高く、すでに「3人に1人」が65歳超という高齢化社会を迎えている城陽市。今後ますます増えるであろう認知症の人々に対する正しい理解と健常者のサポートも課題となる中、9日、市内初となる「認知症キッズサポーター養成講座」が青谷小学校(高向睦校長、181人)=中向河原=で開かれた。
青谷小5年生29人を対象とした「認知症キッズサポーター養成講座」開催に橋渡し役を務めたのは、同校の校医で医療法人ほりうち医院=市辺柿木原=の堀内房成院長。
堀内院長は、市社協の認知症地域支援推進員の明山忍さん(社会福祉士)と園部美香さん(保健師)と3人で「認知症初期集中支援チーム」を構成し、患者やその家族から困りごと相談を受けるなど、暮らしをお手伝いしている。
この日の講座では、明山さんと園部さんが講師となり、まずパワーポイントを使って座学を行い、一番大切なことである「相手の立場に立って考えられる、思いやりのある優しい人になろう」ということを児童らに周知した。
その上で、65歳以上の「5人に1人」が患うとされる『認知症』って何…という疑問に答え▼忘れっぽくなる▼時間の感覚が分からなくなる▼道に迷ったり、行き先や目的が分からなくなる…との主な症状を伝えた。
認知症の人と接する場合、心掛ける点としては「3つのない」が重要ポイントとなり▼驚かせない▼急がせない▼心(プライド)を傷つけない…ことを児童らに伝授した。
後半のグループワークでは、市高齢介護課の職員が「おじいさん」「おばあさん」役に扮して、ごはんを食べたばかりの高齢者が何度も「お昼ごはんまだかな?」と聞き、とうとう家族に怒られてしょんぼりしています…とのシチュエーションを演じ、「あなたなら、どう声を掛けますか」と出題。児童らは、班ごとに1~3回目の「ごはんまだ?」に対する受け答え方を考え、相手を思いやる優しい心を芽生えさせた。
児童らの様子を見守った堀内医師は「ぜひ、城陽市内の他の小学校でも養成講座を広げたい」と意欲を示し、青谷小5年生らには「きょうから認知症キッズサポーター」という自覚に期待した。
受講した児童らは「認知症について詳しく知ることができて良かった」「認知症のおじいさん、おばあさんがいる場合、自分がしっかり覚えておくことが大切だと思いました」などと感想を述べた。
来月18日(火)には再び、青谷小で6年生34人を対象に同様の講座が開かれる。