企画展「なんといってもお茶は宇治 宇治から世界へ」/6月22日まで・宇治市歴史資料館
「貿易製茶」の文字も大書された明治時代の引札(広告)などが並ぶ

宇治市歴史資料館(家塚智子館長)で、今年度最初の企画展が始まった。
新茶のシーズンに合わせたもので、タイトルは「なんといってもお茶は宇治 宇治から世界へ」。近代以降のグローバル化の中で、宇治茶がどのように伝統的な製法を守りつつ、新たな挑戦に取り組んでいたか紹介している。展示資料は37件74点・パネル6点。
江戸時代の資料は、御茶師の特権を脅かす存在になっていた「御控茶師」の取り締まりを願い出た書状(「三仲ヶ間茶師年行事願状写」)や、取り扱い銘柄の一覧が記された広告「引札」など。
明治になると輸出が盛んになり、「貿易製茶」の文字が大書された引札(「菱谷喜次郎引札」など)が現れる。また、第1回内国勧業博覧会が1877(明治10)年に開催され(「大日本物産図絵」)、優劣を品評する共進会も催されるようになった(「明治12年共進会製茶審査報告」」など)。
昭和時代の資料では、土産物としてだけではなく宣伝や通信販売用としても発行された絵葉書や、戦時中に慰問用として戦地の兵士に送られた茶のラベルなどが展示されている。
このほか、播種から施肥、覆い、収穫、製茶、出荷までを絵で描いた「製茶図」も興味深い。
併せて、現在開催されている大阪・関西万博にちなんだ、1970年大阪万博の各パビリオンパンフレットなどの展示コーナーもある。
6月22日(日)まで。午前9時~午後5時。月曜休館。観覧無料。